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【書評】『アメリカにおけるヒロシマ・ナガサキ観』――「図書新聞」(2020年1月11日)にて

「ポスト修正主義」を考察する重要性を強調
評者:中沢志保氏(文化学園大学・国際関係学)


(……)
原爆投下に関するこれまでの研究を、藤田は大きく「三つの学派」に分類して分析する。一つ目が、原爆投下は、戦争終結のために導入された軍事行為であったがゆえに正当化されうるとする「正統主義」の立場である。

…正統派の主張を全面的に否定し、原爆投下決定に内包された政治外交的な側面を強調し、原爆投下を冷戦の文脈で位置づけたのが、「修正主義」

…両者を批判的に継承しつつ、多岐にわたる新たな視角を提供する立場が、第三の学派である「ポスト修正主義」

この論争を、原爆投下を称揚する退役軍人団体とアカデミックな専門家たちの意見を取り入れた博物館側との対立というような単調な構図だけで捉えてはならないという警告である。そして、この展示が中止に追い込まれた事実もまた、アメリカ人の核認識を検証する歴史学者にとっては、貴重な考察材料になるのである。

 

 

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