トーマス・マンの女性像

トーマス・マンの女性像

自己像と他者イメージのあいだで
伊藤 白/著
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発売日 : 2014/10/22

書名カナ トーマスマンノジョセイゾウ
判型/製本 四六/上製
ページ数 266
ISBN 978-4-7791-2025-1
Cコード 0098
従来、評価されてこなかったマン作品の「女性像」に、作家自身の「自己像」を見出し、女性という「他者」のなかにマンが投影した性的・社会的・民族的・政治的世界観に迫る。マンの「女性像」をテーマにした初めての研究書。伊藤 白978-4-7791-2025-1自己像と他者イメージのあいだで
序章 女性を描くトーマス・マン
 1 自画像としての女性像
 2 「他者」の表象
 3 穏やかな人間主義/差異に敏感な普遍主義
 4 「他者としての女性」を論じるということ
 5 本書の構成

第1部 自己像としての女性像
第1章 ゼゼミ・ヴァイヒブロート
   ──『ブデンブローク家の人々』の哲学する老婦人
 1 物語を閉じるのは誰か
 2 ゼゼミ・ヴァイヒブロートについて
 3 ゲルダ──内側から語られない女性
 4 トーニ・ブデンブローク──共感から軽蔑へ
 5 哲学をするゼゼミ
 6 ゼゼミ・ヴァイヒブロートとトーマス・ブデンブローク

第2章 白いドレスのロッテ
   ──『ワイマールのロッテ』の恋に恋する知的な女性
 1 「ゲーテ小説」としての『ワイマールのロッテ』
 2 ロッテは犠牲者か
 3 「犠牲者」のおかしみ
 4 白いドレス
 5 頭の震え

第3章 フロイライン・エンゲルハルト
   ──『魔の山』における女性像と「同性愛」
 1 女性教師エンゲルハルト嬢
 2 同性愛理論の二つの流れ
 3 ブリューアーの理論
 4 男性の女性化としての同性愛
 5 「不毛で永遠の愛」を抱くエンゲルハルト嬢

第2部 不在の他者
第4章 ショーシャ夫人は美しいか
   ──『魔の山』における女性像とその「他者」性
 1 「ショーシャ夫人は美しい」という命題について
 2 腕──局部的な美
 3 聖母と娼婦
 4 ショーシャ夫人の他者性
 5 女性蔑視と妄想としての女性像

第5章 ショーシャ夫人と「アジア」のイメージ
   ──『魔の山』における女性像と「東」
 1 ショーシャ夫人の「アジア」性
 2 「アジア」の「西欧」化
 3 「アジア」イメージの恣意性
 4 ドストエフスキーの国としてのロシア

第3部 他者からの問いかけ/他者への問いかけ
第6章 インマ・スペールマンあるいはカーチャ・プリングスハイム
   ──『大公殿下』と棘のあるユダヤ人女性
 1 「メルヘン=ロマーン」というジャンル
 2 成立史におけるリアリズム化とその限界
 3 愛情の心理描写におけるリアリズムとメルヘン
 4 カーチャ・プリングスハイムへの手紙
 5 ユダヤ人という他者
 6 カーチャという名の現実

第7章 ムト・エム・エネト
   ──『ヨセフとその兄弟たち』のナチス像
 1 自画像あるいはナチズムの表象
 2 ナチスの表象としてのムト
 3 「ファシズム的なもの」への自己同一化
 4 「ファシズム的なもの」の「女性性」
 5 「女性性」の観念性

終章 ロザーリエとアンナ
   ──『欺かれた女』のアメリカ像
 1 自画像としてのロザーリエ
 2 1950年代のドイツとアメリカ
 3 ロザーリエとアンナ
伊藤 白
Mashiro Ito
山口市出身。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。国立国会図書館勤務(調査及び立法考査局)。
専門は、ドイツ文学、ドイツの図書館、日独の産業支援政策。【訳書】『ドイツ図書館入門──過去と未来への入り口 』(日本図書館協会、2011年)