越境する一九六〇年代

越境する一九六〇年代

米国・日本・西欧の国際比較
油井 大三郎/編 、 デーヴィッド・ファーバー/ 、 梅崎 透/ 他
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発売日 : 2012/5/23

書名カナ エッキョウスルセンキュウヒャクロクジュウネンダイ
判型/製本 A5/上製
ページ数 400
ISBN 978-4-7791-1790-9
Cコード 0030
1960年代の社会運動にはグループ間の「越境」とともに、「国際的越境」も見られた。この二重の「越境」に焦点を当てつつ、「越境」が各国の文化変容に与えた影響にも注目。挫折の多かった政治運動にもかかわらず、「文化革命」としての変化の諸相を見る。油井 大三郎デーヴィッド・ファーバー梅崎 透藤本 博小塩 和人ケヴィン・ゲインズ藤永 康政内田 綾子土屋 和代ベス・ベイリー栗原 涼子豊田 真穂ヨアヒム・シャルロート井関 正久中村 督八十田 博人978-4-7791-1790-9米国・日本・西欧の国際比較
目 次

序章 一九六〇年代研究の国際比較——証言と歴史研究の間………………………………………………油井大三郎 11
 はじめに 12
 一 創生期の新左翼とその多様性 14
 二 新左翼運動の急進化とその原因 18
 三 一九六〇年代学生運動の時期区分とその思想 23
 四 新左翼の衰退原因 28
 結びにかえて 29


   第Ⅰ部 米国ニューレフトとヴェトナム反戦運動

1 民主的文化、社会変革運動、そして国際的六〇年代…………………………………デーヴィッド・ファーバー 35
 一 民主的文化の国際的な探求 36
 二 文化における反乱 42
 三 ラディカルたちの新しい方向 45

2 「三つの世界」のなかのアメリカ「六〇年代」
    ——ニューヨーク自由大学とニューレフトの「革命」………………………………梅崎 透 51
 はじめに 52
 一 アメリカ知識人と「第三世界」 54
 二 ニューヨーク自由大学(FUNY)の誕生 57
 三 FUNYのあたらしい教育と政治 62
 四 ポスト六八年 67
 おわりに 69

3 アメリカにおけるヴェトナム反戦運動とその遺産
    ——ヴェトナム帰還兵・「アメリカの戦争犯罪」、国際的連関……………………藤本 博 71
 はじめに 72
 一 「ラッセル法廷」(一九六七年)とヴェトナム帰還兵の証言 74
 二 VVAWの結成(一九六七年)から「ソンミ虐殺」の露見(一九六九年)へ
    ——米国内における「戦争犯罪」告発の開始 76
 三 VVAWによる 「冬の兵士」調査会の開催と「戦争犯罪」告発の国際的展開 83
 四 ヴェトナム戦争期における米国内の「戦争犯罪」告発の今日的遺産 88
 結びにかえて 90


4 米国環境運動をめぐる二つの越境
    ——アーノルド・バインダー、ムレイ・ブクチン、ジョセフ・サックス…………小塩和人 93
 はじめに 94
 一 環境問題の気づき——六〇年代との関連 95
 二 問題解決への対応——一つの越境 98
 三 もう一つのソーシャル・エコロジー 101
 四 日米環境法の関係——もう一つの越境 104
 おわりに 108
 

   第Ⅱ部 越境するマイノリティ運動

5 ガーナにおけるアフリカ系アメリカ人亡命者と一九六〇年代の「長く暑い夏」……ケヴィン・ゲインズ 111
 はじめに 112
 一 アフリカの年とパトリス・ルムンバの死 113
 二 新しいアフロ・アメリカン・ナショナリズム 116
 三 マルコムXとガーナのアフリカ系アメリカ人亡命者たち 118
 四 トランスナショナルなシティズンシップとアフリカ系アメリカ人亡命者たちの遺産 120


6 「公民権物語」の限界と長い公民権運動論
    ——ウィリアムス、キング、デトロイト・グラスルーツの急進主義に関する一考察……………藤永康政 123
 はじめに 124
 一 長い公民権運動論——「公民権物語」と二元論の功罪 126
 二 ロバート・F・ウィリアムス──南部と北部、アメリカと第三世界、非暴力と暴力の出会う場 128
 三 デトロイト・グラスルーツとキング 133
 おわりに 140

7 一九六〇年代の先住民運動——レッド・パワーと越境…………………………………内田綾子 143
 はじめに 144
 一 先住民運動と国内越境 145
 二 レッド・パワーと越境の諸相 151
 三 先住民運動と国際越境 156
 おわりに 158

8 アメリカの福祉権運動と人種、階級、ジェンダー——「ワークフェア」との闘……土屋和代 161
 はじめに 162
 一 全米福祉権団体(NWRO)設立の背景 165
 二 「就労奨励プログラム」と(再)貧困化 170
 三 福祉権をもとめて 173
 おわりに 182


   第Ⅲ部 越境する女性運動

9 リスペクタビリティという問題
    ——一九六〇年代のアメリカにおける性とジェンダーをめぐる闘い………ベス・ベイリー 187
 はじめに 188
 一 リスペクタビリティの重要性 191
 二 リベラル・フェミニズムの論理 194
 三 根本的な対立 195
 おわりに 199

10 ニューヨークの女性解放運動とラディカル・フェミニズムの理論形成…………………栗原涼子 201
 はじめに 202
 一 女性解放運動の原点としてのニューヨークラディカルウイメン 205
 二 レッドストッキングズとフェミニズム理論構築 214
 三 ラディカルフェミニズムの越境――家事労働有償化論争とレズビアンフェミニズムに見る国境、人種の越境 216
 おわりに 219

11 日本のウーマンリブと「女のからだ」………………………………………………………豊田真穂 223
 はじめに 224
 一「女のからだ」とは 226
 二 中絶は女性の権利か 232
 三 ピル解禁をめぐる論争 236
 おわりにかえて——「女のからだ」を通した経験とその越境 243


  第Ⅳ部 一九六〇年代ヨーロッパの越境

12 ヨーロッパにおける「一九六八年」………………………………………ヨアヒム・シャルロート 251
 一 遂行性の発見──ヨーロッパからアメリカへ、そして再びヨーロッパへ 252
 二 一、二、三……ヨーロッパにおける沢山の一九六八年 255
 三 一九六八年のポップ・カルチャーの次元 258
 四 抗議運動の遂行的形式 259
 おわりに 261

13 西ドイツ新左翼における「アメリカ」の受容………………………………………………井関正久 263
 はじめに 264
 一 アメリカ抗議文化の導入 267
 二 ブラックパワー運動への傾倒 271
 三 学生運動衰退後の「アメリカ」受容 276
 おわりに 280

14 一九六〇年代フランスにおける政治文化の形成
   ——社会的アクターとしての『ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』…………中村 督 283
 はじめに 284
 一 「政治」から「政治的なるもの」へ 287
 二 脱政治化から政治意識の覚醒へ 292
 三 六八年「五月」と『ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』 297
 おわりに 292

15 イタリア・カトリックの「六八年」——ミラーノの学生、聖職者の抗議運動を中心に…八十田博人 305
 はじめに 306
 一 「不同意のカトリック教徒」たち 310
 二 運動の舞台としてのミラーノ 314
 三 ミラーノの学生運動——カトリック大学を中心に 317
 四 教会から社会へ 323
  おわりに 328
あとがき………………………………………………………………………………………………………… 331

註……………………………………………………………………………………………………………… 21

索引……………………………………………………………………………………………………………… 1
油井 大三郎
1945年生まれ。東京大学大学院社会学研究科単位取得退学、社会学博士(一橋大学)。東京女子大学現代教養学部教授。
単著:『戦後世界秩序の形成』(東京大学出版会、1985年)、『なぜ戦争観は衝突するか』(岩波現代文庫、2007年)、『好戦の共和国アメリカ』(岩波新書、2008年)。論文に“Interpretations of the 1960s in Japan and the US”,『東京女子大学紀要・論集』62巻1号(2011年9月)。
デーヴィッド・ファーバー
1985年シカゴ大学Ph. D.。テンプル大学教授。
著書:Chicago ‘68’ (University of Chicago Press, 1988); The Age of Great Dreams: America in the 1960s (Hill and Wang, 1994); co-ed., The ‘60s :From Memory to History (University of North Carolina Press, 1994)。