移動と定住の文化誌

移動と定住の文化誌

人はなぜ移動するのか
専修大学人文科学研究所/編
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発売日 : 2011/4/1

書名カナ イドウトテイジュウノブンカシ
判型/製本 A5/上製
ページ数 288
ISBN 978-4-7791-1615-5
Cコード 0033
人間の移動が歴史を作った例は多い。移動の距離や規模、また自由な意志や状況に強制された移動など、その移動の動機や要因によって「定住」の形も異なり、文化も異なる。多面的な「移動と定住」の側面を史的な視野から論じた論文集。 【在庫僅少※汚れ・キズ等の可能性がございます】専修大学人文科学研究所978-4-7791-1615-5人はなぜ移動するのか
まえがき……………………………………………内藤 雅雄
Ⅰ メシーカ人の旅物語…………………………井上 幸孝
  ──アステカ移住譚の形成と歴史
一 メシーカ人の旅物語の概要  二 メシーカ移住譚の形成過程
三 旅物語の変容
Ⅱ 海を渡る娘たち……………………………日暮 美奈子
  ──一九/二〇紀転換期ドイツにおける女中と婦女売買
一 事件の経緯 二 犠牲者像の構築 三 女中としての生活
おわりにかえて──移動する女性としての女中
Ⅲ 関東大震災時の朝鮮人虐殺とその犠牲者をめぐって
   ………………………………………………田中 正敬
一 関東大震災を前後する朝鮮人の日本への渡航と生活
二 関東大震災時の朝鮮人虐殺と地域的な特徴
三 朝鮮人虐殺の事後処理と朝鮮人犠牲者追悼式をめぐって
Ⅳ インド人移民と宗教…………………………内藤 雅雄
  ──グジャラーティー移民社会とスワーミーナーラーヤン教団
一 グジャラーティー移民の歴史
二 近代グジャラート社会とスワーミーナーラーヤン教団 三 イギリスにおけるグジャラーティー社会とスワーミーナーラーヤン教団
Ⅴ 「行ったり来たりする人たち」………………仲川 裕里
  ──一九九〇年代韓国農村社会における移動と定住
一 慶尚南道の山間農村の事例
二 「行ったり来たりする人たち」と「移動」の概念
Ⅵ 宇宙時代の移動と定住………………………黒沢 眞里子
  ──地球は島である
島化する世界のなかの移動と定住/島のイギリスから大陸アメリカへ/「島としてのアメリカ」演説/縮小する世界の認識/レーガン大統領──自由の島アメリカ/レーガンの発言――世界は自由を求める小さな島の集合体/レーガン──自由の島アメリカ再び/ 『デモクラシーの理想と現実――世界の島化』/サンドフォード・フレミング――標準化される地球/「大地」から「世界」そして「地球」へ/宇宙への移動と定住――地球は島である
Ⅶ グローバリゼーションと世界………………伊吹 克己
  ──J・L・ナンシーの世界化の議論について
アグロメレーションとグローバリゼーション/〈地球化=グローバリゼーション〉対〈世界化=モンディアリザシオン〉/世界の破壊/世界と無限 /享受あるいは表象できないもの/世界の創造と虚無/ハーバーマス、ポスト形而上学の思想/immondeとしてのグローバリゼーション/immondeとしての他者
専修大学人文科学研究所
●執筆者紹介
井上幸孝(いのうえ ゆきたか) 専修大学文学部准教授
大阪府出身
専門:メキシコ史
著書・論文:「メキシコ史における先住民概念についての一考察──征服と植民地時代の事例から」(2008年)、Indios, mestizos y españoles. Interculturalidad e historiografía en la Nueva España (共著、2007年)。「ヌエバ・エスパーニャ先住民村落の創設と境界──メキシコ盆地の権原証書の分析」(2007年)、「植民地時代初期の先住民文書に見るメシーカ史 ──テペチパン、クァウティトラン、テノチティトランの歴史文書の分析」(2004年)。「アルバ・イシュトリルショチトルの記録文書に見る先スペイン期の歴史」(2001年)。

日暮美奈子(ひぐらし みなこ) 専修大学文学部准教授
千葉県出身
専門:ドイツ近現代史
論文:「大量移民現象と婦女売買──第二帝政期ドイツでの議論を中心に」(2011年)、「1890年代ドイツにおけるキリスト教福音派系社会事業と婦女売買──婦女売買撲滅ドイツ国内委員会設立前史」(2008年)、「女がシュテトルを離れるとき──ユダヤ人移民史の一側面」(2002年)、「20世紀の汚辱──ヴィルヘルム期ドイツにおける婦女売買」(1998年)、「〈女〉という名の罪? 「ボック=クーンズ論争」──ナチス第3帝国下の女性の位置と役割をめぐって」(1995年)。

田中正敬(たなか まさたか) 専修大学文学部教授
東京都出身
専門:朝鮮近代史
著書・論文:「千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会の活動──『いわれなく殺された人びと──関東大震災と朝鮮人』刊行まで」(2009年)、「日本における工業用塩需要の拡大と朝鮮塩業──内外地塩務主任官会議・内外地塩務関係官会議を中心に」(2006年)、「関東大震災と朝鮮人の反応──その意識を考察する手がかりとして」(2005年)、「近年の関東大震災史研究の動向と課題──現在までの10年間を対象に」(2004年)。

内藤雅雄(ないとう まさお) 専修大学文学部教授
福井県出身
専門:インド近現代史
著書・論文:「インドの民族運動とガンディーの登場」(2010年)、『南アジアの歴史』(共編著、2009年)、「近代アジアにおける宗教と政治──インドのキラーファト運動とトルコの選択」(2008年)、G.パルレーカレ著『インド先住民解放の道──ワールリーの戦いの記録』(邦訳、1997年)、『ガンディーをめぐる青年群像』(1987年)。

仲川裕里(なかがわ ゆり) 専修大学経済学部教授
東京都出身
専門:社会人類学
論文:「韓国における学校性教育の現状と課題」(2009年)、「『両班化』の諸相──イデオロギーの社会的上昇機能と限界」(2007年)、「韓国の出生動向──少子化と出生性比不均衡について」(2005年)、‘Written Genealogies: With Special Reference to the Case of Korea’(2003年)、「韓国の親族制度──日本との比較を中心に」(2000年)。

黒沢眞里子(くろさわ まりこ) 専修大学文学部准教授
群馬県出身
専門:アメリカ研究(アメリカの風景画、風景美学、墓地史、死生観)
翻訳・著書:D・G・ ファウスト著『戦死とアメリカ――南北戦争62万人の死の意味』(2010年)、D・C・ミラー著『ダーク・エデン――19世紀アメリカ文化のなかの沼地』(2009年)、『都市空間の再構成』(共著、2007年)、『アメリカ1920年代──ローリング・トウェンティーズの光と影』(共著、2004年)、『アメリカ田園墓地の研究──生と死の景観論』(2000年)。

伊吹克己(いぶき かつみ) 専修大学文学部教授
北海道出身
専門:哲学
著書・論文:『歌舞伎と存在論──折口信夫芸能論考』(2010年)、「スピヴァクとインド──脱構築、サバルタン、サティー」(2007年)、「アジアという経験──マルローの『王道』をめぐって」(2006年)、「ジャン=リュック・ナンシーの共同体論をめぐって」(2004年)、「アンガージュマンと美的なるものの行方──サルトルとアドルノ」(2000年)。