シェイクスピア劇と図像学

シェイクスピア劇と図像学

舞台構図・場面構成・言語表象の視点から
今西 雅章/著
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発売日 : 2008/5/28

書名カナ シェイクスピアゲキトズゾウガク
判型/製本 A5/上製
ページ数 296
ISBN 978-4-7791-1342-0
Cコード 0098
シェイクスピアのダイナミックな劇空間の魅力を、舞台構図・場面構成・言語表象から読み解く。文学の伝統や象徴の体系、原話との比較、美術史も視野に入れ、登場人物の関係を中心に、悲劇、問題劇、後期ロマンス劇等を分析する。今西 雅章978-4-7791-1342-0舞台構図・場面構成・言語表象の視点から
プロローグ 演劇の図像学的研究への流れと三つの視点

▼序章 舞台構図・場面構成・言語表象(非言語表象)
 I エリザベス朝の舞台の寓意性と舞台構図の意味
  1 《アテネの学堂》の寓意の構図
  2 グローブ座の物理的構造
  3 「権威」の空間としての中央奥
  4 「聖」なる空間としての二階舞台
  5 「女性の優位」の図像としての二階舞台
  6 「地下の空間」と化した平舞台
  7 「内舞台」の象徴的使用
  8 「内」から「外」への縦の軸線に展開する舞台
  9 隠された意味を読み解く
 II 場面構成について〜『リチャード三世』を例にして
  1 場面構成の技法〜反復と変奏
  2 ヘイスティング卿失脚の場
  3 バッキンガム公没落の場
 III シェイクスピアの言語表象〜劇言語の創造
  1 英語表現の可能性の探求
  2 舞台図像〜視覚表象と言語表象の相乗効果
  3 身振りをまじえた劇言語の効果
  4 劇言語としての観念的台詞の役割
  5 寡黙と沈黙のレトリックの演劇的効果
  6 話者の心的構造を反映した独白の言語
  7 材源の英語表現の劇言語への変容
  8 「世界劇場」というトポスと「劇中劇」というメタファー
  9 非言語的表象と言語表象の創り出す演劇表現

■第I部 悲劇

▼第1章 『オセロー』における聖なる次元
  〜秘蹟劇的変容と舞台表象の意味
  1 作品のフォームへの回帰
  2 ロマンティックな幼妻の言語と行動
  3 イアゴーの即興劇に毒されたオセローの変貌
  4 デズデモーナの心の揺れと愛の理念の表明
  5 チンティオ『ヴェニスのムーア人』の謀殺の筋
  6 聖なる光の一瞬のきらめき
  7 メタフォリカルな表象に読める自己認識と悔悛
  8 最後の舞台図像の解釈は二つに分かれる

▼第2章 アナモルフォーズの画家イアゴーのトリック
  〜『オセロー』における狂気の構図
  1 アナモルフォーズの覗き穴
  2 近代的エゴイストの登場
  3 運命より実力が肝要
  4 アナモルフォーズの覗き穴、または劇中劇の構図
  5 人間の根源的価値を問うドラマ

▼第3章 『マクベス』における血の幻影の演劇的意味
  〜セネカの『狂えるヘルクレス』と比較しつつ
  1 血の表象の多義性
  2 血の短剣の幻視
  3 夥しく流出していく血のヴィジョン
  4 ヘルクレスの幻覚と血の惨劇
  5 〈祝宴〉の場の血みどろの亡霊とマクベスの錯乱
  6 狂った夫人の夜の異常な儀式と血の幻覚
  7 血のイメージの変容

▼第4章 ルネッサンスの絵画と演劇の図像学
  〜レオナルド・ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》と『マクベス』の〈祝宴〉のモチーフ
  1 シェイクスピアのイタリア・ルネッサンスの文化との関係は
  2 ヨーロッパ文化圏の図像の体系
  3 〈祝宴〉の聖なる次元
  4 レオナルドの《最後の晩餐》の図像の伝統と創造
  5 『マクベス』の〈祝宴〉の場の図像と構成の創意
  6 両者の比較から見えてくるもの

■第II部 問題劇

▼第5章 『尺には尺を』の迷宮の構図
  〜公爵はなぜ裁きを引き延ばしたのか
  1 さまざまな視点
  2 公爵代理の恫喝と冷笑の意味
  3 『尺には尺を』と粉本との比較から見えるもの
  4 「真理」の女神は裁判官から遠く離れている

▼第6章 『トロイラスとクレシダ』の戯画化の技法
  〜言語表象と舞台表象に見る伝統と創造
  1 鎧姿の序詞役の登場
  2 鎧を脱ぐ王子の舞台表象と武具を解く「マルスの図像」の照応
  3 「快楽の園」と化した平舞台
  4 『トロイラスとクレシダ』と『ロミオとジュリエット』の後朝のシーン
  5 英雄ヘクターではなく、男同伴のクレシダの登場
  6 「逢い引き」という劇中劇の構図
  7 諷刺の技法は意味を創り出す

■第III部 晩年のロマンス劇

▼第7章 『冬物語』の動き始めた彫像
  〜「身体」のメタファーの意味するもの
  1 「威厳にみちた」と形容されたハーマイオニーの彫像
  2 16年前に起こったこと
  3 自己の潔白を主張するハーマイオニーと忍耐のグリセルダ
  4 ポーリーナの今ひとつの役割

▼第8章 『ペリクリーズ』の「死」と「再生」のモチーフの変奏と舞台構図
  〜シェイクスピアの秘蹟劇のバロック的展開
  1 シェイクスピアの独自性をさぐる
  2 緑の葉をつけた枝のエンブレムとマリアの花婿選び
  3 「誕生」と「水葬」のシーンのディスカヴァリー・スペースの象徴的使用
  4 白魔術師セリモンとサイーザの蘇生
  5 マリーナによる総督の改心の奇蹟
  6 母胎からの新生
  7 ダイアナ女神の垂直の舞台構図と《聖母被昇天》図
  8 エフェソスの神殿の三つの恩寵と「死」の影
  9 対抗宗教改革とバロック様式
  10 『ペリクリーズ』はバロック様式の劇ではないのか

エピローグ 温故知新
今西 雅章
1933年生まれ。
帝塚山学院大学名誉教授(言語文化博士)。上智大学ルネッサンス研究所幹事。
経歴 同志社大学文学修士、サセックス大学大学院にBCスコラシップを得て留学(MA)、上智大学大学院
    特別研究員(1985年)、帝塚山学院大学文学部教授を経て、関西外国語大学大学院教授(2006年退職)
著訳書 『シェイクスピア大事典』(分担執筆、荒井 良雄 他編、日本図書センター、2002年)、
     『シェイクスピアを学ぶ人のために』(今西雅章 他編、世界思想社教学社、2000年)、
     『シェイクスピア辞典』(分担執筆、高橋 康也 他編、研究社出版、2000年)、
     『イタリア・ルネッサンス美術の見方』(ハインリッヒ・ヴェルフリン著、
今西雅章編注、研究社、1997年)、『ルネッサンスと新世界』(共著、荒竹出版、1992年)、     
     『陰翳と変容のドラマ シェイクスピアの喜劇と悲劇』(今西雅章著、研究社出版、1991年)、
     『ルネッサンスと美術 ルネッサンス双書 21』(共著、監修:ピ-タ-・ミルワ-ド・
     巽豊彦、叢書の編者:ルネッサンス研究所、荒竹出版、1991年)、
      『Shakespeare in Japan Shakespeare Year Book.Vol.9』(共著、Holger Klein.
      Peter Milwardほか編、Edwin Mellen)、『シェイクスピアの悲劇』(共著、
      日本シェイクスピア協会 編、研究社出版、1988年)、 『マクベス
      大修館シェイクスピア双書』(シェイクスピア著、今西雅章 編注、大修館書店、1987年)、
      『ルネッサンス美術の歴史 3版 The Social History of art』(ハウザ−著、
      今西雅章・金城盛紀 注釈、研究社出版、1985年)などがある。