
書名カナ | アメリカマイノリティジョセイブンガクトボセイ |
判型/製本 | 四六/上製 |
ページ数 | 261 |
ISBN | 978-4-7791-1275-1 |
Cコード | 0098 |
現代アメリカを代表する3人のマイノリティ女性作家の作品を、フェミニズム批評上重要な《母親の言説》を用いて分析。《母性》表象の研究の流れとともに、《母親の声》を積極的に作品に取り入れる彼女たちの多様性に満ちた魅力に迫る。
はじめに〜アメリカ/マイノリティ女性/母性 ■第1章 「母が語ること」〜現代アメリカの聖なる女たち ▼第1節 母親が書くこと 「母性」と創作との危うい関係〜女性が書くことの意味 書かれる母親・書く母親〜フェミニズム批評の中の母親 母親の物語 分裂した自己 ▼第2節 ポストモダン・マザーフッド 「母親」とは何か 男も妊娠する〜サイエンス(・フィクション)の悪夢 あらたな母親モデルを求めて ポストモダン・マザーフッド ▼第3節 権威をもって語る母親 母親の言説〜母なる神を求めて 「聖なる女」〜イリガライの冒険 新しい家族像〜「権威ある母、平和的な父、強力な女神」 キングストン、モリスン、シルコウ ■第2章 母親の語る古典・母親の統べる世界 〜マキシン・ホン・キングストンの『トリップマスター・モンキー』 *マキシン・ホン・キングストン(作家紹介) ▼第1節 『トリップマスター・モンキー』のフェミニズムとヒロイズム 中国文化の古典・フェミニズム・ヒロイズム フランク・チンのキングストン批判 伝統とフェミニズム 母親の言説としての『トリップマスター・モンキー』 中国の三大古典とフェミニズム批評 中国古典の書き換えと引用 ▼第2節 『トリップマスター・モンキー』の中の古典 『三国志』の劉備と孫夫人の結婚 平和主義のテクストとしての「桃園の誓い」 『水滸伝』と平和主義 『西遊記』のジェンダー越境エピソード ルビー・ロング・レッグス 「祖母」の役割 平和的な父 ▼第3節 母親の言説としての『マルテの手記』と『西遊記』 「母親の言説」としての『マルテの手記』 反・家父長的テクストとしての『マルテ』 『西遊記』の仕掛けと平和主義のヴィジョン ■第3章 聖なる女たちの顕現〜トニ・モリスンの『パラダイス』 *トニ・モリスン(作家紹介) ▼第1節 『パラダイス』の男と女 「母親の言説」としての『パラダイス』 「男対女の戦争」? ルビーの家父長制 ▼第2節 黒人コミュニティの物語と、女たちの物語 黒人のディアスポラ物語 「不許可」のタイポロジー 男たちのパラダイス 「修道院」とメイヴィス 娘たちのトラウマ 新しく改訂された修道院長(レヴァレンド・マザー) ▼第3節 オルタナティヴな女神を求めて 黒い女神ピエダージ ルビーの再生 ■第4章 正しいインディアンのやりかたと「母なる大地・母なる神」 〜レズリー・マーモン・シルコウの『死者の暦』 *レズリー・マーモン・シルコウ(作家紹介) ▼第1節 母なる大地というジェンダー表象 「正しいインディアンはどうあるべきかなんて、あたしに説教するんじゃない」 「父なる空、母なる大地」 「ポップ・カルチャー・フェミニズム」と女呪術師 先住民文化とフェミニズム ▼第2節 『死者の暦』の母親たち 『死者の暦』 『死者の暦』のポストモダニズム〜見るものと見られるものの政治学 グロテスクな母性〜逸脱した母たち 先住民の女は自然を象徴する? シルコウのセルフ・パロディ ▼第3節 アメリカの女神たち〜新たな女神を求めて 先住民文化における象徴としての「母なる大地」 ラグナ・プエブロの女神〜「考える女」たち 父親と家父長制 「ひとつの世界、多くの種族」 おわりに よりよい世界をめざして 〜「聖なる女」とはだれか? 私たちに何の役にたつのか? |