日々是好日 第7回

  

第7回 歳末脚立棚卸し編

林タムタム

 

年末ですね。皆さんは2019年が始まるにあたりどのような目標を立てていたでしょうか。タムは体重5キロ減、黒字の生活を守り、読書は1ヶ月5冊、映画は1ヶ月3本、芝居も1ヶ月3本、ジム通いと料理を日課とし、英会話を習って、いつも明るく朗らかに、人のことを気遣い、社会にアンテナを張って、生きて行こうという目標がありました。順調に各目標をクリアして、い、今は完全無欠のタムです、す、す……あれ……? 視界が歪んできた……

ごめんなさい。嘘をつきました。いまだに家には炊飯器すらないです。食パンをトースターで焼くことはするよ! サトウのご飯シリーズでいうと、普通にあきたこまちがおいしいと思う! オーケーストアで銀色の袋のドリップコーヒーと一緒に買うんだよ! その日暮らしのタム。

ジムは登録したものの1ヶ月でやめてしまい、英会話もお試しから契約にすすめなかった。家には体重計もないので今の体重は謎です(多分増えている)。読書は比較的しているほうだと思うけれども、電車で席に座れるとすぐ寝てしまう。何より、いつも明るく朗らかに、人に優しく清く正しくいられないのが現状です。悲しいと泣くし、苛立っても泣くし、悔しいと泣きながら人に当たる時さえある。しいたけ占いをはじめとする各種占いを読みあさっていて、なにがなんだかわからなくなっている。今ハマっているのはネットフリックスでブレイキングバッドを観ることですが、節度を守れず、頭が痛くなる限界まで観てしまいます。ドトールのWi-Fiでエピソードをダウンロードします。隣に座る、所在なげな中年男性は大体訳ありに見えてきます。
YO *****……。

計画を立てて、その通り実行できる人は本当にすごい。短いスパンならともかく、長いスパンで目標を達成するのはとても大変だ。大体の目標はだんだん雲行きが怪しくなったままうやむやになってしまうし、人生を賭した目標は、それ自体に自分が食べられてしまうことだってある。タムはいわゆる「今年の目標」を大体達成できないまま、もう〇〇年生きました。社会的にはめちゃくちゃ大人で、初見の美容師さんは大抵自分より若い。

今年になって初めて感じるようになったことがある。

タムは、去年の年末に親元を離れて今の場所に来ました。京都で下宿生活をしていたことこそあるけれど、あの時はいつだって帰ろうと思えば家に帰れた。距離的にも近かったし、単位を落として困ることこそあれ、何も責任がない暮らしだったから、嫌になったら全部を放り出して家に帰ればよかった。

親と一緒に、あるいはごく近くでずっと生活するスタイルを選ぶことには何となく抵抗の気持ちがあって、そうすることはしなかった。

ただ、親を親と変に構えず、もっと自分と地続きの人間としてとらえていればシンプルに考えられたと今になって思う。親も、大人になって、結婚して、子供を設けたというよりは、私と同じく新年の目標を立てたり、それを達成できなかったりする中で、歳をとってきたんだろう。

親のすねをかじりながら、歳だけ年々とっていく自分をいつも強烈に不甲斐なく感じていた。その中で、人間の成長を、子供からどこかの段階で大人(自分で自分に責任を持てる)になるもの、という風にとらえていたし、親になる人は多くの場合、ちゃんと大人になってから、親になっていると思っていた。しかし、どちらかというと年月が流れていく中で、社会的な立場や責任が生まれたり、家族が増えたりする中、連続して人生が進んでいくんだろう。私と私の親の間に時にうまくいかない事象があったとしても、それは(フロイトに怒られるかもしれないが)長所も短所もある人間同士だったからだろう。親のことが好きだ。

タムは外にでてきてようやくそのことに気づき始めた。