日々是好日 第5回

  

第5回 ひとマス戻るモーター編

林タムタム

 

彩流社さんに今月もなんとか原稿を送った。ふう……がんばった……よしよし……。

しかしそれはいくつか前の原稿の下書きであった。

当然原稿は原稿の体をなしていない。やんわりと質問のメールをいただいた担当者様、本当に本当に申し訳ありません。ついに壊れたと思われたでしょうか。本当にごめんなさい。タムは今後もこの連載を頑張りたいと思っていますので何卒今後ともよろしくお願いいたします。

タムはあまり掃除ができないたちである。タムの母が、非常な綺麗好きであったため、タムの生家は非常に綺麗に片付けられていた。そのためタムは、綺麗な机の状態、綺麗な家の状態というのがなんたるかについては理解している。

今いる自分の家についても、友人や郵便屋さんが見るかもしれないと考え、彼らの来襲が予期される場合には、部屋を片付けておこうという知恵は付いている。しかし内心は、いざ掃除をするにあたっても、片付けられた家なるものをこれまで見てきた通り再現しているだけで、なぜ部屋を片付けなくてはならないかということを真の意味では理解していない。部屋が汚くても特に私自身は不快を感じていないのである。むしろ多少汚いぐらいが味があるくらいに思っている。

同様に、タムのPCもファイルがぐちゃぐちゃに突っ込まれている状態である。「アプリケーション」とか、「書類」とか、「デスクトップ」とか分類を気にせず、とりあえず作ったファイルはPCのどこかに保存しておく。そして、毎回検索をかけて所望のファイルを見つけ出しているのである。この方法を採用すると、検索しても近しいファイルが複数検索結果に上がってくるため、いちいちファイルを開いて内容を確かめなくてはならない。しかしこれについては特に面倒を感じない。

しかしまさしく今日、タムには暇な時間がたっぷりあり、手元にはPCしかなかった(今読んでいるのはフィッツジェラルドの『夜はやさし』だが、あいにくそれも家に置いてきた)。そこで、この雑多なファイルを綺麗にしようと思いついたのである。

この思いつきは、ファイルが乱雑すぎて自分の業に差し障りが出ていたため、それを整理して快適なPC環境を手に入れようという、おそらく掃除の本来の目的から出たものであった。

タムはおよそ半日をかけ、ファイルを綺麗にして、ぽいぽいファイルをゴミ箱に突っ込み、入念にゴミ箱を空にまでしたのである。

結果己の無精からファイル名を「彩流原稿5」と書き変えずにいた今回のファイルが、跡形もなく消し去られてしまった。

慣れないことを思いつきでしない。今日は1日かけてそれを学んだのであった。

ジャクソンポロックも驚きの自動筆記になってしまいました。しかし幻の第5回原稿よりはよくかけたと思います。うふふ。