反動とカラクリの文学後ろから読むエドガー・アラン・ポー

後ろから読むエドガー・アラン・ポー 反動とカラクリの文学

野口 啓子 著
四六判 / 280ページ / 上製
定価:2,500円 + 税
ISBN978-4-7791-1243-0 C0098
奥付の初版発行年月:2007年06月 / 書店発売日:2007年06月20日
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内容紹介

ポーには、すでに現存するものから、事の始まりを説明する傾向がある。
晩年の宇宙論『ユリイカ』(1848年)を軸に、ポーの作品の社会性や政治性、文化的言説をたどり、アメリカ・ルネッサンス期を照射する。
作品の「カラクリ」を披露することで、読者に作品の読み方を誘導し、物語の虚構性を暴露するポーのメタフィクション性を浮き彫りにする。

版元から一言

(社)日本図書館協会 選定図書

■書評……日本経済新聞(2007年7月15日)
     『図書新聞』「2007年上半期読書アンケート」巽孝之氏選(2007年7月28日)
     『英語青年』伊藤詔子氏(2007年11月号)
    「アメリカ学会会報」No.167 鵜殿えりか氏(2008年7月号)
     『アメリカ文学研究』No.45 西山智則氏(2008年)

著者プロフィール

野口 啓子(ノグチ ケイコ)

1985年津田塾大学大学院文学研究科博士課程満期退学。愛知県立大学外国語学部助手、専任講師、助教授を経て、現在、津田塾大学学芸学部教授。この間ブリンマー大学へ留学し(1982-1983)、アマースト大学(1987-1988)およびワシントン大学(2001-2002)にて客員研究員として海外研修を行う。著書『E.A.ポーの短編を読む』(共編著、勁草書房、1999)、『ヒロインから読むアメリカ文学』(共著、勁草書房、1999)、『アメリカ小説の変容』(共著、ミネルヴァ書房、2000)、『ポーと雑誌文学』(共編著、彩流社、2001)、『ヒーローから読み直すアメリカ文学』(共著、勁草書房、2001)『アイデンティティとアメリカ小説』(共著、晃洋書房、2001)『アメリカ文学にみる女性と仕事』(共編著、彩流社、2006)『「アンクル・トムの小屋」を読む』(共著、彩流社、2007)など。
訳書『眠れる森の美女にさよならのキスを』(マドンナ・コルベンシュラーグ著、共訳、柏書房、1996)ほか。

目次



■第I部 物語作家の挑戦〜カラクリをしかけるポー
▼第1章 はじめに『ユリイカ』ありき〜単純さへの熱望
  1 破滅への道
  2 真実へいたる道
  3 神の心臓
  4 神のプロット
  5 『ユリイカ』による改訂

▼第2章 楽園物語〜詩人の夢
  1 宇宙論から楽園物語へ
  2 楽園喪失〜「エレオノーラ」
  3 幻想のヴァージンランド〜「ウィサヒコンの朝」
  4 人工庭園〜「アルンハイムの地所」
  5 理想の構成美

▼第3章 冒険物語〜アーサー・ゴードン・ピムの反転する世界
  1 長編小説をめぐる評価のズレ
  2 虚と実のあやうさ
  3 偶然に翻弄される世界
  4 無意識界への急降下
  5 裏返された白いページ

▼第4章 美女物語〜精神と肉体の相克
  1 死の恐怖と書くこと
  2 創造と狂気〜「約束ごと」「ベレニス」「モレラ」
  3 精神と肉体の相克〜「ライジーア」と「アッシャー家の崩壊」
  4 恐怖と美

▼第5章 推理小説〜芸術と大衆のはざま
  1 推理小説の誕生
  2 物語と批評の融合〜「モルグ街の殺人」
  3 富と芸術の融合〜「マリー・ロジェの謎」と「黄金虫」
  4 ゴシック小説への回帰〜「盗まれた手紙」
  5 推理小説から宇宙論へ

■第II部 北部文壇への挑戦〜反動からアメリカ文学創生へ
▼第6章 「眼」をめぐる物語I〜「私」の住処は頭か胴体か?
  1 ポーと超越主義
  2 エマソンの超越〜消える肉体/残る眼
  3 「ある苦境」〜消えない肉体
  4 「悪魔に首を賭けるな」〜消えた頭部

▼第7章 「眼」をめぐる物語II〜信頼できない自己
  1 「私」を見つめる「私」
  2 「アッシャー家の崩壊」〜個人主義とナルシシズム
  3 「ウィリアム・ウィルソン」〜一つではない自己
  4 「群衆の人」〜理解されない自己
  5 読まれざるテクスト

▼第8章 「眼」をめぐる物語III〜見つめ返す眼
  1 「ライジーア」〜宇宙を映す眼
  2 「告げ口心臓」〜濁った眼
  3 「黒猫」〜えぐられた眼
  4 介在する自己意識

▼第9章 ふたたび『ユリイカ』へ〜収縮する宇宙/膨張するアメリカ
  1 『ユリイカ』の雑多な言説
  2 物質と精神の完全なる変換可能性
  3 認識のコペルニクス的旋回
  4 アメリカの叙事詩

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