フランケンシュタインの精神史
著訳者名 | 小野俊太郎 著 |
副題 | シェリーから『屍者の帝国』へ |
書名ヨミ | フランケンシュタインノセイシンシ |
仕様/ページ数 | 四六判/並製/272ページ |
定価 | 1,800円+税 |
ISBN | 978-4-7791-7039-3 |
出版年月日 | 2015/8/19 |
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フランケンシュタインと戦後日本SFとの相関をさぐる文化論! 200年前の物語が提示する現代的な意義=「つぎはぎ」「知性や労働の複製」「母性をめぐる解釈」などをめぐり、小松左京、光瀬龍、荒巻義雄、田中光二、山田正紀、伊藤計劃や円城塔への継承をたどる。
目次
●はじめに
「怪物には、へそがない」・徘徊する怪物・
へそをめぐる議論・この本のねらいと構成
第1部 メアリー・シェリーの遺産
●第1章「生命創造とつぎはぎの身体」・
神の創造とゴシック小説・つぎはぎの身体と準創造
●第2章「魂なき肉体と機械の複製」・
人口統計と数値化の時代・ラッダイト運動と機械嫌悪
●第3章「境界線上の怪物」・
母性という呪い・家なき子と男たちの関係・
製造物責任をどこまで負うか
●第4章「グローバル化のなかの怪物」・
ナショナルの外へと出ていく・怪物の存在証明
第2部 戦後日本におけるフランケンシュタイン
●第5章「怪物からロボットやサイボーグへ」・
フランケンシュタインと視覚表現・フランケンシュタインと鉄腕アトム・
兵器としての鉄人28 号・良心回路と人造人間キカイダー
●第6章「神との闘争をめざして」・フランケンシュタインと戦後日本・
別の歴史と神への道ー小松左京・サイボーグと解脱ー光瀬龍
●第7章「フランケンシュタインと対抗文化」・新しい波と対抗文化・
ヨーロッパとフランケンシュタインー荒巻義雄・
エコロジーと闘争ー田中光二・神を狩る敗者たちー山田正紀
●第8章「怪物たちの共同体」・ポストヒューマンと怪物・
フランケンシュタインと女性性・『屍者の帝国』とテキストの縫合
●おわりに「フランケンシュタインの問題群」
著者プロフィール
小野 俊太郎(オノ シュンタロウ)
文芸評論家。
1959年札幌生まれ。東京都立大学卒、成城大学大学院博士課程中途退学。成蹊大学などでも教鞭を執る。
著書に『ゴジラの精神史』(彩流社)、『モスラの精神史』(講談社現代新書)や『大魔神の精神史』(角川one テーマ21 新書)のほか、『〈男らしさ〉の神話』(講談社選書メチエ)、『社会が惚れた男たち』(河出書房新社)、『日経小説で読む戦後日本』(ちくま新書)、『フランケンシュタイン・コンプレックス』『明治百年 もうひとつの1968』(ともに青草書房)、『『ギャツビー』がグレートな理由』『本当はエロいシェイクスピア』(ともに彩流社)など多数。