漱石と英文学Ⅱ



著訳者名 塚本 利明 著
副題 『吾輩は猫である』および『文学論』を中心に
書名ヨミ ソウセキトエイブンガク ニ
仕様/ページ数 四六判/上製/618ページ
定価 4,500円+税
ISBN 978-4-7791-2472-3
出版年月日 2018/8/16

 

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著者自らが言うように、研究史上の“些事”にこだわり、一対一に見える源泉に含まれる“見えざる接点”の深層を可視化する試み。その成果は再び新風景を開示した。漱石の比較文学研究で大きな足跡を残す著者、晩年の論文集成。

目次

主な目次

第一章 自己流〈比較文学〉と漱石研究
 1 私の〈比較文学〉入門から海外における「方法論」論争まで
 2 「事実主義」の重要性──島田 厚「漱石の思想」の一節を例として
 3 『文学論』における「暗示」

第二章 食材としての孔雀──漱石における想像力の一面
 1 迷亭の「年始状」
 2 「孔雀の舌」の周辺
 3 「孔雀の料理史」
 4 「羅馬人」の「秘法」── 「入浴」「嘔吐」について
 6 フラミンゴの舌と孔雀の舌
 7 『猫』と『漾虚集』とを繋ぐもの──テニソン、モンタージュ的手法、借用と改変 ほか

第三章 『吾輩は猫である』とその周辺
 1 『吾輩は猫である』と「カーテル、ムル」
 2 漱石とホフマンとの接点
 3 『猫』と『ムル』との接点としてのブランデス
 6 「吾輩」と “we”
 7 “regal we” とシェイクスピアの歴史劇と
 11『猫』におけるウィリアム・ジェイムズ (1~3)ほか

第四章 『猫』における「自殺」と「結婚の不可能」──G・ブランデスを手掛かりとして
 1 「寒天」的半透明感から自殺談義へ
 2 「自殺を主張する哲学者」
 4 『オーベルマン』と「文学における自殺の病的な流行」
 5 「自殺」と「解放」
 6 「個性の発達」と「結婚の不可能」
 9 『デルフィーヌ』とスタール夫人の「非結婚論」
 10 「吾輩」の水死と「不対法」の終焉  ほか

第五章  漱石とレズリー・スティーヴン── Hours in a Library を中心に
 2 漱石のデフォー論とスティーヴン──漱石の記憶違い
 3 漱石のポープ論とスティーヴン──姿を見せないスティーヴン
 4 『吾輩は猫である』におけるスティーヴン  ほか

第六章 『ハイドリオタフヒア』とその周辺
 1 三四郎と『ハイドリオタフヒア』との出会い
 2 「寂寞の罌粟花を散らすや……」の出典── 研究史概観
 4 テーヌ『英文学史』と漱石
 6 視覚化された「メメント・モリ」── ホルバインと『ハムレット』
 7 『三四郎』における「死」への眼差し  ほか

第七章 『文学論』本文の検討
 2 「文学的内容の形式」と「文学的内容の基本成分」と
 3 「(文学的内容の)形式」とは何か ── “form”と“formula”
 4 漱石自身が“Form”を用いた可能性
 6 『文学論』冒頭の命題と漱石の不満
 7 「(F + f )」、ジェイムズ、およびフェヒナー
 8 『文学論』における数式へのこだわり
 9 「Lives of Saints」とは何か ほか


主要参考文献
あとがき
索引

著者プロフィール

塚本 利明(ツカモト トシアキ)
1930年、東京に生れる。
現在 専修大学名誉教授 日本比較文学会評議員。
著書に
『比較文学研究 夏目漱石』(朝日出版社、1978年)、
『増補版 漱石と英国  留学体験と創作との間』(彩流社、1999年)、
『漱石と英文学 「漾虚集」の比較文学的研究』
(彩流社、1999年、改訂増補版:2003年)があり、
訳書に
『哲学的素描  叢書・ウニベルシタス』
(スザンヌ K・ランガー著、塚本利明・星野徹 訳、
法政大学出版局、1974年)、
『人間の破壊性  りぶらりあ選書』
(アンソニー・チャールズ・ストー著、塚本利明 訳、
法政大学出版局、1979年)、
『迷信の心理学』(グスタフ・ヤホダ著、塚本利明・
秋山庵然 訳、法政大学出版局、1979年)、
『文明の試練―フロイト,マルクス,レヴィ=ストロース
とユダヤ人の近代との闘争  叢書・ウニベルシタス』
(ジョン・マレー・カディヒィ著、塚本利明 ほか訳、
法政大学出版局、1987年)、
『夢の事典―“夢”の世界を探検するために』
(ジェイムズ・R. ルイス著、塚本利明 監訳、
久泉伸世・金里美・鈴木英夫 訳、彩流社、2005年)、
『汚穢と禁忌  ちくま学芸文庫』(メアリ・ダグラス著、
塚本利明 訳、筑摩書房、2009年)などがある。